事業権期間の調整と設立要件の緩和が改善案のカギに
昨年同様、今年も免税業界は制度に伴う市場の変化が避けれない見通しだ。
写真=保税販売場運営に関する告示。適用以降、実情に合わせて50回近く変わった。昨年7月1日付けの改正案が最も最近のものだ。
免税店制度改善TFが、免税制度の構造変化を中心に関連法規定を追加、補完することを予告したためだ。企画財政部がつくったこのTFチームは、昨年国政監査期間に指摘された独占と寡占、事業権手数料、入札審査の透明性問題などを解決するとの趣旨だ。
これと関連して公聴会を開き、各界の意見を収斂するなど、議論を続けている。本来、昨年年末頃に改善案の基本土台が発表されるものと予想されたが、制度修正に関する内容は今年中旬に延期された。TFチーム関係者は、「制度構造改善と関連する内容であるだけに敏感な事項であるため、慎重を期している。」とし、「昨年11月の入札以降、急激な制度構造の変化が行われている状況であり、国会で出した法案の内容を取りまとめて対策を出す計画だ。」と明らかにした。
このように保税区域の特徴からすると、免税店の運営方針は関税法に大きく影響を受けるため、改善案が発表されることによる下半期の免税制度の構造変化は避けられない見通しだ。特に、免税店の設立と運営方針を示した「保税販売場運営に関する告示」が、制度の流れに合った細部規定を盛り込めず、法的な完結性に欠けているという指摘を受けてきた。
キム・ナクフェ関税庁長が新年の挨拶で述べたように、免税事業権関連の要件に対する合理的な調整が行われるものと予想される。キム庁長は就任以来「免税店のグローバル競争力強化」を主張しており、新年の挨拶を通じて「観光産業に寄与する免税店制度をつくるために積極的に支援する。」とのメッセージを伝えた。これを通じて今年大幅修正に入る事案を上げてみると、5年間の事業権期間、事業権手数料、設立要件の緩和、審査規定、中小中堅業者との共生方策などが必須の議論対象に入るものと思われる。
昨年11月の事業権審査以前から懸念されてきた事業権期限の5年は、免税店業界だけでなく観光業界でも指摘されてきた部分だ。直ちに撤収しなければならない既存の免税店は、これまで順調に運営していた売り場を閉店しなければならず、彼らの売上を新規業者が受け継ぐことができるか、業界では疑問を抱いている。ある業界関係者は、「5年周期に変わるため、入店を拒むブランドが増え、新規免税店ではブランド誘致に難航している。」とし、「がら空きの売場に魅力を感じられない観光客が増えれば、観光業界全体に悪影響を及ぼす」と懸念した。日本に移っていく観光客を取り戻すためにも、事業権期間が5年より長い10年に改められるものと見られる。
また、制度改善TFが事業権要件に関する事項にも手を加えるものと予想される。昨年比30%以上観光客の数が増えなければならず、免税店の全体の売上の中で外国人の売上が50%を超えなければならないという今の条件では、ソウルと済州地域にしか免税店を設立できないためだ。全国各地で観光商品の開発に取り組んでいるが、ショッピング部門で魅力度が落ち、免税店出店を求めている状況だ。毎年韓国を訪れる観光客数が10%以上の上昇傾向にあるが、昨年の中東呼吸器症候群(MERS)のような特殊な状況が起きた場合、要件を満たすことが難しい。釜山市は今年の観光客増加に備え、昨年下半期から免税店の新規出店を考えていたが、一時的な減少傾向で人数基準を満たせなかった。そのため、現実的な設立基準の方案が必要だという意見に、観光業界全体が共感している。
一方、中小企業との共生に関税庁が積極的に乗り出す模様だ。昨年12月、大型免税店が中小中堅免税店の共生基金を設け、彼らの運営効率性を高めるために、関税庁と空港公社などが積極的に支援することで合意した。
このような雰囲気の変化を受け、各関連業界では状況を見守っている。免税業界では、免税店制度が観光産業の活性化のための方策として扱われることを望んでいる。ある業界関係者は、「ショッピング目的で韓国を訪れる中国人観光客の特性を考慮しなければならない。」とし、「世界の観光制度の流れにおいて中国人観光客は重要な軸であり、免税店を通じて韓国の化粧品業界が好況を享受するなど、輸出にも前向きな影響を及ぼしたように、観光活性化の側面で制度の整備を考えて欲しい。」と伝えた。
